おしらせ

2020-06-22 12:00:00

コロナの話②。ウイルスとの共生。みんなにわかってもらいたいこと。 

緊急事態宣言が解除されて、学校や幼稚園、保育園が始まりました。新しい生活様式などと言われていますが、これってどうしたらいいんでしょう、って思いますよね。

 

結局のところ、コロナはゼロにすることはできないから、かからないように気を付けて生活する。そのために、これまでやってきた手洗い・うがい・規則正しい生活・睡眠をしっかりとる・マスク・ソーシャルディスタンス・なるべくステイホームする、などは続けることなんでしょうね。小さな子供はあちこち触ってしまいますし、マスクもきちんとできなかったりするので(2歳以下はしない方が良いとも言われています)、手洗いはとても大切です。これはコロナに限ったことではなく、インフルエンザや胃腸炎などの感染症対策にも有効です。でも実はそれよりも大事なことがあります。

 

それは、具合悪いときは人に会わない、外出しない、会社・学校・幼稚園・保育園を休む それだけです。

 

これをわかってもらいたいのです。えー、そんなの当たり前でしょ、って思いますか?今はそう思う人が多いかもしれませんね。でも、コロナが流行りだす前までは、決して当たり前ではありませんでした。親戚や友人家族との旅行があり、おなかの調子が悪かったが断れるのも悪くて参加。みんなにノロウイルス(胃腸炎)がうつってしまった。とか、夜中に熱が出ていたが朝は下がったので登校したが、学校で熱が上がり早退。病院で検査したらインフルエンザだった。2日後、その子のクラスで一気に広がり学級閉鎖になってしまった。とか、昨晩嘔吐して朝も食欲なかったけど熱がなかったから保育園登園。翌日から下痢になり胃腸炎と診断。保育園で胃腸炎が大流行してしまった。とか、インフルエンザとわかっていたけど、どうしても発表会に出したい(本人が出たいと言ったから)ので元気そうだったから参加した、とかとかとか・・・。残念だけど診察していてよくある話です・・・。

一昨年~昨年、麻疹が全国的に流行した際は、熱が出て発疹も出ていたのにジャスティンビーバーのライブに行き、麻疹感染を広めたというケースがニュースになりました。

 

具合が悪くなって学校や保育園から保護者が呼ばれ、診察に来る子供の中で、朝からまたは前夜から調子が悪かった子は少なからずいます。辛そうな子供たちを診ると、朝からお休みできなかったのかなぁと切なくなります。でも、どうしても仕事が休めなかったという理由でちょっと無理してこどもを保育園などに預けてしまった経験をした方は少なくないと思います。また、そうしなければいけない世の中の仕組み(会社の仕組み)がどうにかならないのかと気をもんだものです。しわ寄せが子供にいってしまうのは、小児科医としてとても心が痛むのです。。しかも、無理して預けることで感染症を広めてしまうということに、あまり真剣に向き合ってもらえない現実にむなしさを覚えたりしました。

 

 

今回のコロナウイルス感染症の流行で、いいなと思ったことがあります。それは、みんなの意識が感染症は人から”うつされる”だけではなく、自分が人に”うつしてしまう”のだという概念が根付いたことです。これまではどちらかというと、感染症は”うつされる”という被害者感覚の人のほうがが多かったなと思うので。。。。。

 

 

 

人にうつさないようにする、つまり相手のことを考えて行動する、でもこれって日本人は得意なのではないでしょうか。だから強制的なロックダウンをしなくてもここまで感染者数をおさえられたのではないかなと思うのです。どんな感染症も、経路は様々ですが人から人へ移ります。具合悪いときは人に会わない・学校や幼稚園、保育園を休む・外出しない これをすることで感染症は確実に減ります。1人1人休めない事情があるかもしれません。でも、相手のことを思い社会を思い行動する。コロナに限らず感染症拡大防止対策はこれが基本中の基本なんです。これを機に、わかっていただきたいのです。

 

ちょっと辛口でしたか?私もコロナは嫌です。こんな経験は初めてです。これからどういう風に向き合っていくか。診療はどうするか。考えることがいっぱいです。でも、なんでもそうですが、経験は生かさなければいけません。在宅ワーク、大変だったと思います。でも家族と過ごす時間が増えた、普段子供の世話をする妻や夫の大変さがわかった、など気づかせてくれることもたくさんあったと聞きます。人間には知恵があります。逆境を乗り越える力があるはずです。ともに頑張りましょう!