おしらせ

2022-03-24 12:50:00

コロナワクチンのこと

5歳からのコロナワクチンが始まりました。いろいろな情報があり迷われている方も多いようです。診察時にどうしたらよいか相談されることも多いです。結論から申しますと、ワクチンは接種してほしいです 理由は以下の2つです。

①免疫をつけてコロナに負けない体を作る 

②かかった場合に子供に使える薬がない

 

コロナウイルスだけなく、インフルエンザや麻疹などたくさんのウイルスに対するワクチンがあります。どれもその病気にかかると重症になってしまうから免疫をつけましょう、というものだと皆さん理解していると思います。子どものコロナはいまのところ重症化率は高くありません。なぜこどもは重症化しないのか、その理由はまだよくわかっていませんが、重症ではないからワクチンをしなくても良いと考えるのは少し違います。

風疹ワクチン(MRワクチンとして麻疹ワクチンと合体しています)は妊婦さんを守るためのワクチンです。子どもが風疹にかかっても重症になることは少ないのですが、妊婦さんがかかって風疹を発症するとかなりの確率で胎児に影響が出ることが分かっています。そのため、優生保護法で唯一堕胎が許されています。そんな悲劇を避けるため、風疹自体を減らそう!ということで子供全員にワクチン接種しています。(30年前くらいは女子のみの接種でしたが、その後男女とも接種するようになり風疹はかなり減っています)また、みずぼうそうもいまは薬があるのでかかっても重症化することはあまりありませんが、免疫の低下した状態の方(抗がん剤治療など)がかかると重症化することがあるので、それを防ぐためにワクチンが開発された経緯があります。今は1-3歳の子供に無料で2回接種できますので、みずぼうそうは激減しています。(水ぼうそうを診たことがない若い小児科医師も存在するほどです・・・。私は生き字引のようになってしまいそうで歳を感じます…(笑)

このように、ワクチンは個人を守るためと全人類を守るため、の2つの目的があるのです。コロナは今のところ高齢者や基礎疾患のある方が重症化しやすいと言われています。いま子供たちがワクチンを打つ目的は個人<全人類だとは思いますが、接種することで個人の免疫も必ず上がります。今の制度のままだと、コロナを発症した人は10日間外出できず、家族も最低1週間は外に出られません。それは大変なことです・・・。免疫をつけるということは、コロナに立ち向かう武器を持つということです。接種しなければ丸腰で戦うことになるわけですから。。。

 

また、すでにかかった人についてですが、ワクチン接種して大丈夫です!というか接種は必要です。ワクチンはコロナウイルスの本体部分の免疫をつけると理解してください。先っちょがいろいろ変化するのでデルタ株やらオミクロン株やら名前がついていますが、本体の免疫をつけることで体が対応できるのです。変異の強さによっては対応しきれず症状が出てしまうことがありますが、この先まだまだ変異はし続けるであろうコロナウイルスに対して免疫をしっかりつけておく必要があります。オミクロンにかかってもコロナ本体の免疫がしっかりついたわけではないということなのです。(ちょっと難しいね💦)